やがて迎える終末の姿









 全身でのしかかられると、曽良が腹の奥にまで届く。白濁した液体が腰を使っていくぬるさにひとりでに背中がしなる。暑いな、と思っていた。痛いな、とも。早く終わらないかなとも考えた。バレたらきっともっとひどいことをされるんだろうけれど、噓をつきそれを取り繕う余裕も何もなかったからよかった。ただ今は、こうして身を放り出していればいい。
 芭蕉の胸部に曽良の手が滑り込む。心音を確かめるようにあてがったまま、もぐりこむように身体を動かす。潰してしまったとしても構わないような曽良の動きに目がちかちかとくらむ。どっか飛びそう。どっか消えそう。思考回路が、手を離れてどこかに逃げる、逃げる。身体だけが彼とつながってきしむほどに揺らされている。


 行為の一部始終が痛いばかりではないということにいつしか気づき始めていたけれど、それでも嬌声を悲鳴でごまかし続けるのは、芭蕉の中にひとつの恐怖があるせいだった。( そっか、怖かったんだ。怖かったんだ私は )自分の心の中だけでそれを認めると、少し肩の荷が降りた。怖かった。嬲られて、嫌がって、それがだんだん当たり前となって。その秩序を乱してしまえば全部壊れて、曽良が手元からはなれていく気がして、それが恐ろしかった。


( ね、私って。思うんだけど )
( 思うんだけど…… )
( 私ってもしかしたら君のこと、好きなんじゃないの? )







「 どうおもう? そらくん 」
「 …………は? 」


 空気のぬけた声で思わず口にすると、曽良が不可解さに苛立ったように返した。本当に腹が立ったようで、そのまま芭蕉の首筋を食いちぎる勢いでそこに噛みつく。血を流すことを前提とした苦痛。痛い、そして、胸が苦しい。片方の手が、今も心音を確かめるように胸におかれたまま。やがて身体に熱が放たれる。曽良の身体がはなれる。いつしかその温度は失われていって冷えてゆくのだろうなどと考えてきたら、気が昂って泣けてきた。
 はなれたく、ない。











×××